特定業務従事者健康診断の概要について知ろう

こんにちは、マーキー(@ma_ky1)です。

今回は「特定業務従事者健康診断」のお話です。

雇用されている方の中でも一部の職種の方が該当する健康診断です。自身の業務内容を一度照らし合わせてみましょう。

特定業務従事者健康診断とは

特定業務従事者健康診断とは、事業者が特定の業務に従事する労働者に対して定期に実施する健康診断です。

「特定業務従事者健康診断」の関係法規

労働安全衛生法』によって定められています。

労働安全衛生規則 第四十五条」に、
事業者は、第十三条第一項第三号に掲げる業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、第四十四条第一項各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。

と規定しています。

第十三条第一項第三号に掲げる業務

では特定の業務の具体的な内容を見ていきましょう。

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
ホ 異常気圧下における業務
ヘ さく岩機、鋲(びよう)打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
ト 重量物の取扱い等重激な業務
チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
リ 坑内における業務
ヌ 深夜業を含む業務
ル 水銀、砒(ひ)素、黄りん、弗(ふつ)化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
ヲ 鉛、水銀、クロム、砒(ひ)素、黄りん、弗(ふつ)化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
カ その他厚生労働大臣が定める業務

老人女性

なんだかすごい業務がいっぱいね~

身体に負担や影響が出やすい業務内容が対象になっていますね。よく耳にする業務としては深夜業でしょうか。色んな業種に取り入れられている業務内容かと思います。

(条文詳細は電子政府の総合窓口(e-Gov)を参照してください。)

実施義務

事業者』に実施義務があります。

※労働者には受診義務があります。

対象者

常時使用する労働者』が対象です。

『常時使用する労働者』の定義は過去の雇入時健診の記事を参考にしてください。

雇入時健康診断の概要について知ろう
今回は誰もが関わりが深い「雇入時健康診断」。これから就職・転職を控えている方はこの健康診断について是非知っておこう。就職後の健康を確認し、健康状態の予兆を知る手がかりとなる重要な健康診断である。

実施時期

当該業務への配置替えの時
6か月以内毎に一回

定期健康診断とは異なり、6か月以内毎に定期に実施されます。

検査項目

検査項目
  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査
  5. 血圧の測定
  6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
  7. 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)
  8. 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  9. 血糖検査
  10. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  11. 心電図検査

省略できる項目

1年以内ごとに一回実施されていれば省略可能
④胸部エックス線検査

定期に実施されるものに限り、前回以下の項目を受診し、医師が必要でないと認めた時は省略可能
⑥貧血検査(血色素量及び赤血球数)
⑦肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)
⑧血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
⑨血糖検査
⑪心電図検査

また、定期健康診断時の省略基準も準用する形をとっています。なお、その場合は「1年間」とあるものはこの健康診断においては「六月間」と読み替えます。
詳しくは下記の定期健康診断の省略基準を参照してください。

定期健康診断の概要について知ろう
就職後に定期的に関わる「定期健康診断」について解説します。雇用されている方はこの健康診断について理解を深めて日々の健康をチェックしましょう。

検査方法の代用(聴力)

定期のものに限り、聴力の検査を前回の健康診断において受けた者、または45歳未満の者(35歳及び40歳の者を除く。)は医師が適当と認める聴力(1000Hz又は4000Hzの音に係る聴力を除く。)の検査で代えることができます(省略可ではありません)。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今や様々な業種・業務が世間には有りますが、こうした特定の業務に従事している特定の就労形態を取る労働者は多いです。工事の現場や、コンビニエンスストア、病院など、本当に色々あります。

特定の業務は大きな心身への負担が想定され、長期に就労することで健康状態への影響も出現する割合が増えると考えられます。

6か月に一度実施される期間からもわかるように、定期健康診断とは異なったスパンでより細かく管理されることになります。特定業務に従事させている企業によっては、この健康診断について認識が浅い場合もあるため、ご自身が受診の対象となる業務に該当しているかどうか把握しておくことも大切でしょう。

この健康診断のポイント

・特定の業務に従事する労働者に対し、配置換えの時、6か月以内毎に定期に実施される
・より短期間での健康管理・把握できる

受診結果の確認は下記を参照してください。

基準値・判定
健康診断を受診したら自身の結果を確認して、異常が無いか確認しましょう。もし異常があったらその項目を確認して、どんな問題が起きうるのか確認しておきましょう。