ワクチンの接種間隔が変わる!新型コロナウイルスワクチンの接種もスムーズになる!?

こんにちは、マーキー(@ma_ky1)です。
今回は気になるワクチンの接種に関するお話です。今後ワクチン全般の接種がスムーズになるようです。これからインフルエンザワクチンの接種などを迎える時期です。これは要チェック情報ですよ。

え、ワクチンって接種間隔が決まっていたの!?なんだか種類が多いようね。
しかも、接種間隔がどうかわるのかしら?

ワクチンは種類に応じて次回接種する間隔が決められていました。
今回は異なるワクチン間の接種間隔が改訂されるというものです。

注射生ワクチン同士は現状維持、他種ワクチン同士の間隔は改訂

2020年8月に厚生労働省より「医薬品・医療機器等安全性情報375号」にて以下の改訂が案内されました。

異なるワクチンの接種間隔について,注射生ワクチンどうしを接種する場合は27日以上あける制限は維持しつつその他のワクチンの組み合わせについては制限を撤廃する
引用:医薬品・医療機器等安全性情報375号

今まで、異なるワクチンの接種間隔については、
生ワクチン:接種後27日以上
不活化ワクチン:接種後6日以上 の間隔をおくこととされてました。
これが今回変わったわけです。

図にすると

今まで「生ワクチン」という括りでしたが、「注射生ワクチン」と「経口生ワクチン」で制限が分かれることとなりました。

・「注射生ワクチン」同士は今まで通り(27日以上空ける)
・それ以外の組み合わせは間隔制限無し

改訂の時期

添付文書の改訂は2020年10月1日付けで行われます。
この厚生労働省の指示を元に各製造販売業者はワクチンの添付文書を改訂することとなります。

改訂の背景

2019年9月、ロタウイルス*ワクチンを定期接種化する方針が決まり,乳児期に接種が必要なワクチンがさらに増えました。接種機会を確保する観点から,接種間隔に関する検討が行われました。

同年12月、エビデンスや海外の状況を踏まえ,前述の改訂内容について定期接種実施要領の改正案が審議されました。ただ、広く定着したルールから変更することになるため,パブリックコメント*を実施した上で,2020年1月に改正案は了承され,2020年10月1日から適用されることになりました。

*ロタウイルス:乳幼児の急性重症胃腸炎の主な原因ウイルス。感染すると、2~4日の潜伏期間(感染から発病までの期間)の後、水のような下痢や嘔吐(おうと)を繰り返す。その後、重い脱水症状が数日間続くことがある。発熱や腹部の不快感などもよくみられる。合併症として、けいれん、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などが起こることがあり、死に至る場合もあります。意識の低下やけいれん等の症状が見られたら、速やかに、近くの医療機関を受診しましょう。
*パブリックコメント:国の行政機関が政令や省令などの案をあらかじめ公表し、広く国民の皆様から意見や情報を募集する手続です。

ワクチンには「注射生ワクチン」「経口生ワクチン」「不活化ワクチン」の3種類

「ワクチン」にもいくつか種類があるのね。どんなワクチンがあるの?

製造方法、作用機序、接種方法などの点から分かれています。代表的なワクチンを挙げてみます。

注射生ワクチン
病原体は生きているが、病原体が持っている病原性を弱めたもの。注射で接種。

MR(麻しん風しん混合)、麻しん(はしか)、風しん、水痘(みずほうそう)、BCG(結核)、おたふくかぜ

経口生ワクチン
病原体は生きているが、病原体が持っている病原性を弱めたもの。経口(飲む)にて接種。

ロタウイルス

不活化ワクチン
病原性を無くした病原体の一部を使う。生ワクチンに比べて免疫がつきにくいため、数回に分けて接種。

DPT-IPV四種混合(D:ジフテリア・P:百日せき・T:破傷風・IPV:不活化ポリオ)、DT二種混合(D:ジフテリア・T:破傷風)、日本脳炎、インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、肺炎球菌、不活化ポリオ

トキソイド
細菌が産生する毒素(トキシン)を取り出し、免疫を作る能力は持つが毒性は無いもの。不活化ワクチンに分類されることもある。

ジフテリア、破傷風

ワクチンに関する詳細は今後記事にしたいと思います。

改訂において気を付けるべきこと

ただ、今回の制限が改訂されたからと言って、次の接種が控えている場合、接種から数日間は、発熱や接種部位の腫脹などの症状が出ることがあるため、部位の観察などは行うべきでしょう。
接種自体には副作用などの症状が出ることを忘れてはいけません。制限が撤廃されても、体調に問題がないことを確認して接種を行うようにしてください。
また、特に医師が認めた場合、(異なるワクチンを)同時に接種することができます
これは意外と思う人もいるかもしれませんね。今回の改訂では「注射生ワクチンどうし以外」は制限が撤廃されたので、体調に問題なければいつでも次の接種ができます。

しかし、「注射生ワクチンどうし」の制限は維持されるため、例えば、注射生ワクチンである「麻疹ワクチン」と「水痘ワクチン」を別々の機会に接種する場合、はじめに麻疹ワクチンを打ったら、次の水痘ワクチンまで27日間空ける必要があります。これが、麻疹ワクチンと水痘ワクチンを同時に接種ができれば27日間を待たずに一度に接種を終えることができるということになります。

特に同時に何種類までできるという制限はありませんが、はじめに述べたように、接種には副作用があります。複数打つことでのリスクは十分に説明を受けて臨んでください。もし接種機会を分ける場合には時期にも余裕をもっておきましょう。

なお、今回の改訂において、同じワクチンの規定接種間隔・回数については従来通り、添付文書等の規定に従うよう示されています。

開発されているワクチン

さて、気になる新型コロナウイルスのワクチンですが、「不活化ワクチン」として開発されているものがあるようです。
まだ開発段階ですのでどんな種類のワクチンが流通するのかまだわかりませんが、開発状況は厚生労働省で公開されていますので、興味のある方はそちらを参照されると良いでしょう。

改訂がもたらす新型コロナウイルスワクチンの今後

長年定着していた従来の接種制限については医療従事者や子供の定期接種行う保護者にとっては接種機会の調整が悩みの種でありました。ただ、今回の改訂は全てのワクチンの制限が撤廃されることはありませんでしたが、かなり大きな変化であると個人的に捉えています。

注射生ワクチンどうしの接種間隔に留意する以外は接種スケジュールの調整がしやすくなったことで、医療機関・受診者間での接種機会の把握が容易になり、だいぶコントロールが楽になるでしょう。

また、もともとはロタウイルスワクチンの定期接種化がもたらした今回の改訂でしたが、今後の新型コロナウイルスのワクチンが流通するようになった時を想定すると、接種を待ち望む人にとっては朗報と言えるかもしれません。

というのも、新型コロナウイルスのワクチンが接種できるのはいつになるか全く読めませんし、流通しても接種機会を得ること自体が難しい状況がしばらく続くと予想されます。そのため、従来の接種制限では、いざ自分に接種機会が巡ってきても、他のワクチンを接種した直後であれば新型コロナウイルスのワクチンをしばらくの間接種することが出来なくなる可能が高いと考えられます。

こうした点から今回の改訂は、需要のあるワクチンどうしの接種機会をより円滑なものとしたことで、新型コロナウイルスのワクチンが流通した際には、タイムリーな接種機会を獲得しやすくなることが期待されるでしょう。

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